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311の記録 No2

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隣室のその男の子と顔を合わせるのは、実はそれが初めてだった。

私たちは、お互いの顔を見て、ほっとした。

私だけでなく、きっと彼も同じだったと思う。



あの時、あの男の子が居なかったら、私は確実に酷いパニックに陥っていたと思う。



私たちが短い会話をしたとき、すでに揺れはじめてからだいぶ時間が経過していた。

私たちは、それぞれの玄関のドアが閉まってしまわないように、精一杯努力した。

彼は立って、腰を折った状態。

私は立っていることが出来ずに、ぺたりと床にお尻をついた状態だった。

たしか右手でドアノブを握りしめ、右半身全体でドアを押さえた。

しゃがみこんでいたものだから、私の目の前にあるのはマンションの通路の壁だった。



長い揺れのあいだ、私の目は青空を見上げ、ときに目を閉じ、そして隣で同じように踏ん張っている彼を見た。

彼はときどき、「だいじょうぶですか」と私に叫んでくれた。

さまざまなものが複合的に大きな音を形成していた。

お互い叫ばなければ、すぐ近くにいるというのに声が聞こえないほどの大音量だったのだ。

マンションの建物がギシギシとしなる音。

部屋のなかの物がひとつ残らず落ちてゆく音。

そしてぴーちゃんの激しい鳴き声が聞こえていた。

一瞬だけ、部屋のものが落ちてゆくのを観たような気がする。

しかしそれは、やはり聞こえてくる音が作り出した想像のビジョンなのかもしれない。



長かった。
本当に、長かった。
長くて、苦しくて、必死で。

信じられなかった。

まさか。
まさか、こんな。

映画を観てるみたい? いや、映画のなかに居る。
これは映画なんだ。
映画のなかに入り込んでしまった。

そんな感覚。

否。

これは映画ではない。

恐らく、世界線、或いはパラレルワールドの集合体を一気にガガガガガガッと、強制的に移動させられている。
この平面的な世界まるごとが。



そして、心の側面ではこんなことを考えた。

「平和の終わり」。

自分が揺れているから、仰ぐ青空も揺れていた。

揺れる青空に、これまで空気のように私の身の回りに纏わりついていたにも関わらず見ようとしてこなかった平和という文字が、エネルギーとなってブワッと現れたと思った途端、それはすうっと吸い込まれていってしまった。




少し弱まるか?と思った瞬間、また激しく揺れる。

その繰り返し。

「うわ、長いですね」隣の彼は何度か、揺れ直すたびに、そう言った。



私は空を見上げながら、マンションのすぐわきを通っている新幹線の高架橋が、すべて崩落していると想像した。

部屋の惨状は、ちゃんと見なくても明らかであった。

私は思った。

ここには居られない。部屋は入れる状態じゃない。

そのうえ、車も奪われた。どうにもできない。どうにも。

なぜそんな風に思ったかというと、新幹線の高架橋の下が、私の車の月極駐車場だったからだ。

(この高架橋は実際は無事で崩壊しませんでした)



永遠に揺れ続くのか、真面目にそう思った。


しかし、揺れの終わりはちゃんとやってきてくれた。

やっと。やっと。



揺れがいったん終息してはじめて、私はよろけながらも自分の足で立って階段の手すりによりかかった。

そこからは、マンションのすぐ脇に建っている友人の経営する化粧品屋さんを見下ろすことが出来た。

私はまず、そこに目をやった。

化粧品屋さんの駐車場では、友人やそのお店の従業員の女の子(いずれも私の大切なクライアントさまである)たちも、みんな心配そうにこちらを見上げていた。

お互いに大きく手を振り、私は両手で◯印をつくって無事だという合図をした。


そしてすぐに、隣の部屋の男の子のほうを振り返った。

「一緒に(マンションを)降りてもらえますか?」私はそう彼にお願いをした。

「わたし、インコが2羽いるんです! 籠がふたつあるんです! すみませんが、片方持って、降りてもらえますか?」

彼は「いいですよ。待ってます」と言った。

お互いがお互いの部屋を、入り口から覗き込んだ。

そうしてから、お互い、必要なものを取りに部屋に入っていった。

「なんだこれ、なんだこれ」隣の部屋の彼が自室で叫んでいるのが聞こえた。



私も自分の部屋に入って、叫んだ。

「ぴーちゃん、もーちゃん、大丈夫だからね!心配いらないからね!」

そう、繰り返した。


玄関から先、部屋のなかにはすべての物が落ちて、床までの厚さ25センチくらいの堆積物を作っていた。

玄関にあったクロックスを履いて部屋に入り、その堆積物の上を踏んで歩いた。


足元で時折、堆積物の下のほうから食器などが割れる音が聞こえた。



部屋に入ってみると、出窓もベランダへ通じるサッシも、どちらも施錠していたにもかかわらず、全開になっているのが一目で分かる。

やっとのことでインコのゲージの前に辿り着く。

みると、もーちゃんの籠は無傷。
もーちゃん自身も、バードベッドに入っておとなしくしている。

しかし、ぴーちゃんの籠は落ちた物が当たったらしく、ぴーちゃんが余裕で抜け出せるくらいの隙間が出来ていた。
ぴーちゃん自身もひどく興奮している。

ぴーちゃんの興奮は半端なかった。
元々気性が荒く、ビビリな性格の子。無理もなかった。

もーちゃんを攻撃してしまう危険性はあったものの、選択の余地はなかった。

その時には、そうするしかないと思った。

非常事態の中での、咄嗟の判断だった。

冷静になって考えれば、大きな布か何かで壊れている籠をくるんだほうがよかったかもしれなかった。

しかしながら、その時にそんな考えが浮かぶことは、残念ながら、なかった。



つづく。

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